2025/12/12
あいおいニッセイ同和損保/滋賀大学によるヒヤリハットと交通事故との関連性分析
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
- 価値創造
- 仮説検証
- 研究開発
- 共同研究
- データ解析
- DS学部
- 連携協定あり
2つのビックデータから事故リスクが高いエリアを抽出
交通安全対策努力のおかげで、事故による死者数は1990年のピークから大きく減少してきました。しかし、近年概ね減少傾向にあるものの、2021年に2600人台に達してから減少幅が小さくなり、効果の限界が見えてきました。交通被害のさらなる軽減を実現するには、危険発生する前からの予測・回避・改善が重要と思われます。
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社から提供された社用車、一般人車両の走行データからなるビッグデータを活用して、JSSRC(※)では滋賀県内のヒヤリハット多発地点データベースを構築しました。また、警察庁オープンデータにある過去4年間の交通事故データも活用し、走行時ヒヤリハットと交通事故との関連性を分析しました。
※日本セーフティソサイエティ研究センター(JSSRC)は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と滋賀大学が2017年に設立した交通事故防止・安全性向上を目的とした専門拠点です。センター内外での様々な課題の発掘から解決までを推進しています。
関連性分析において、データ上車両多様性の富む東近江市と近江八幡市付近で検出されたヒヤリハット情報を可視化し、同地域の事故頻発地点と比較分析しました。その結果、メッシュ(経度緯度各0.0005度の区間)単独よりも、複数のメッシュからなるメッシュ群において、急ブレーキと急発進の総数は事故の発生数と正の相関が見られました。特に、急ブレーキにおいて、相関係数の曲線にブレがなく、急ブレーキ多発の密集地域では事故件数と単調な正の相関関係を示しました。一方、左右急ハンドルと事故件数の間に明確な相関関係が見られませんでした。この結果から、急ブレーキと急発進が多数発見される地域は事故リスクの高いエリアとして対策する価値が高いと言えるでしょう。


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| 専門領域キーワード | 交通事故 |
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