製造

2023/01/10

帝国データバンクと滋賀大学によるDEMLセンターと能勢鋼材が最適配送ルート設定の実践研究

株式会社帝国データバンク・能勢鋼材株式会社

  • 研究開発
  • 人材育成
  • 共同研究
  • データ解析
  • DS学部
  • 連携協定あり

配送最適化アルゴリズムの改良により配送コストを低減。経験に基づくスキルを一般化するアルゴリズム開発も

ステンレス鋼材や航空機部品などの加工販売を行う能勢鋼材株式会社との共同研究で、①配送最適化アルゴリズムを実運用するための調整と、②発注に対して材料割り当てを最適化するアルゴリズム開発を行っています。
①の配送の最適化については、配送拠点間の経路距離と所要時間から配送コストや運転手の不公平感の見える化を行い、配送候補を複数提案するアルゴリズムを開発。さらに実運用に耐えられる改良を行っています。
②の加工する材料の引き当ては、担当社員の経験を必要とする属人的な業務である一方、サービスレベルに直結することから、スキルの一般化が急務となっています。在庫保管コストや残材の廃棄基準を定量化し、材料廃棄までの生存関数のモデル化によって、最適な母材の切り出しを行うアルゴリズムを開発しました。
この最適化アルゴリズムを使うことで、これまで数時間かかっていた配車作業が十数分で完了することが可能になりました。また配車したトラックの総距離が短縮され、日によって少ない台数で配達可能であることもわかりました。作業負担軽減だけでなく、属人化の解消、CO2の削減や2024年問題の解決にもつながる成果を得ることができました。現在は滋賀大学発ベンチャーにも認定された新会社ディナレッジ株式会社を設立し、このアルゴリズムを使った「配送最適化アプリケーション」の開発と商用化の実現に取り組んでいます。

能勢鋼材からベンチャー企業を設立

2022年には能勢鋼材から共同研究に参加し、滋賀大学に派遣社会人として在籍、修士号を取得された柴坂さんが滋賀大学発ベンチャー認定を受けたディナレッジ株式会社を立ち上げ(2023年5月認定)、能勢鋼材との共同研究の成果を実運用していく体制を整えています。
営業活動の改善をめざすデータ活用も進展しています。営業活動では注文に紐づく売上・利益、訪問した際の日報など日々データが収集されている一方で、営業先の選定や営業担当の管理は人の感覚・属人的な方法で行われています。本センターでは、株式会社帝国データバンクがもつ企業情報と営業活動記録を紐づけ、受注獲得の期待値の大きい企業の抽出や業務効率化の施策の提案を行っていきます。

2021年、能勢鋼材様とのミーティングの様子

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専門領域キーワード製造現場の最適化

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