2024/12/06
日東電工/滋賀大学による因果探索による異常検知の研究
日東電工株式会社
- 価値創造
- 仮説検証
- 研究開発
- 共同研究
- DS学部
- 連携協定あり
因果探索で異常検知の予測を可能に
因果探索は因果推論とは異なり、どのような因果関係があるのかを事前知識から特定できないような場合に、データから因果の方向を特定しようという問題を扱います。関数、分布など一定の仮定を設けることで、変数間の因果の有無と因果の方向性を推定し、因果グラフを用いてこれを可視化します。因果情報がない場合には、説明変数が多すぎて、異常検知の予測が難しいケースに遭遇することがあります。このような場合、因果情報を活用して説明変数を絞り込むことで問題の解決を図ります。
日東電工株式会社と滋賀大学は、2022年には、「滋賀大学・日東電工デジタルイノベーション研究開発センター(NSIC)』を設立。以来、共同研究態勢を築き上げてきました。NSICでは、日東電工の材料実験・製品設計分野に広く跨る知見と経験に加え、株式会社日東分析センターの多様な材料評価・分析データを導き出す技術に、滋賀大学のデータサイエンス・AI技術を掛け合わせて、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代を切り拓こうとしています。
日東電工は高機能材料メーカーとして、基幹技術である粘着技術や塗工技術をベースに、エレクトロニクス業界や、自動車、住宅、インフラ、環境および医療関連などの領域でさまざまな製品を提供し、グローバルに事業を展開しています。NSICでは共創イノベーションによる社会課題の解決を目指して、新用途開拓、新製品開発、新需要創造につながる研究開発に取り組んでいます。
新規テーマ創生に関しては、日東電工でさまざまな事業を担う部署から集まった参加者と共にワークショップを行い、70以上の課題候補から約10件を選び出し、さらにその中から最終的な優先順位を決定して、取り組むテーマの最終候補を絞り込みました。このプロセスは、既存のデータがあるから何かを分析するというアプローチではなく、より広い視野で包括的に課題抽出から共に検討するという姿勢で取り組んだものです。こうした協働作業のやり方にも、本共同センターの特色が表れています。
NSICは、今後も分析の精緻化や高度化、学会発表や論文公開、新たな取り組みへの展開など、より広く、より先を見据えた共同研究活動をめざします。
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