医療

2025/12/12

富士通と“本当のつながり”を見つける新技術「I-CAM-UV」を開発

富士通株式会社

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観測されていない項目があっても因果関係を推定

私たちの身の回りには、病院での診療記録、アンケート調査、業務日報、センサーデータなど、さまざまな種類のデータが存在しています。これらはそれぞれ貴重な情報ですが、集められた状況や内容が異なるため、単体で分析しても「なぜそうなるのか」という因果関係を明らかにするのは簡単ではありません。たとえば、健康状態の変化や仕事の成果に影響を与えている真の要因を見つけ出そうとしても、それぞれのデータには限られた項目しか含まれていないことが多く、背景にある構造を正しく理解するのは困難です。
こうした課題を解決するため、私たちは、観測されていない項目があっても、それぞれのデータが持つヒントを組み合わせて因果関係を推定できる新しい技術「I-CAM-UV(アイ・カム・ユーブイ)」を開発しました。
この技術では、異なるデータセット同士の構造的一貫性に着目し、それらを統合することで、データをまたいだ「本当のつながり」を見つけることが可能になります。実際に、生命科学データや脳のシミュレーションデータを用いた評価実験において、従来の手法では見逃されていた因果関係を捉えられることを確認しました。このような技術は、複数のデータを活用して本質を捉えることが求められる医療、教育、ビジネス、行政など、さまざまな分野での応用が期待されています。

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専門領域キーワード因果推論

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