製造

2024/12/06

課題解決に向けた12回の学術指導をナルックスで実施

ナルックス株式会社

  • 価値創造
  • 仮説検証
  • 研究開発
  • 人材育成
  • 学術指導
  • DS学部
  • 連携協定あり

統計解析ソフトRを用いて解析手法を指導

2023年1月から12月までナルックス株式会社の技術開発部を中心とする社員数名に対して月1回2時間のペースで計12回の学術指導を行いました。
ナルックスは昭和38年より一貫してプラスチック光学部品、ガラス光学部品の研究開発に取り組んできたレンズメーカーです。学術指導ではまず、製造品についての概要と、製造プロセスの中でセンサー類から取得されるデータについて説明を聞き、それを用いて解決したい問題のヒヤリングを行いました。一般に、学術指導においては滋賀大学側でデータを解析することはなく、解析作業は企業側で行います。一方で、指導する内容や教材については企業側のデータやその目的に合わせる形で構成します。
ナルックスでは、プログラミング言語としてPythonが利用され、また、データ解析にはタグチメソッドなどの品質管理の手法が使われていました。品質管理は統計学にもとづく手法が多いため、学術指導ではフリーの統計解析ソフトRを用いることにしました。
R言語では解析手法や図表の作成を必要最小限のプログラミングで実装できます。したがって、同じ目的を達成するまでの時間が短く、タイムパフォーマンスが高いことが特徴です。 しかし、利用するには統計学の知識が必要なため国内では専門家を中心に利用される傾向があります。社内データに適用できるRのスクリプトを提供しながら、探索的な解析手法として階層型クラスター分析、主成分分析、多次元尺度法、K平均法、2値ラベル対する回帰として決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネット、ランダムフォレスト、連続値に対しては重回帰、LASSO、XGBoostあるいはLightGBMを紹介しました。参考文献として我々が執筆した 『実況!Rで学ぶ医療・製薬系データサイエンスセミナー』 (学術図書出版社)を引用しました。また、特徴量が時間変化をともなう場合には、我々がGitHubに公開する非負値行列因子分解のパッケージnmfkcを用いて低次元縮約してから回帰に投入しました。指導する内容は予め大枠は決まっていましたが、解析手法を紹介する→社内データの見方が変わる→解決すべき問題が再定式化される→それに合った解析手法を紹介する、というサイクルで適宜対応しました。

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専門領域キーワードPython、R言語、統計学

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