イベント
第2回 文理融合探究ワークショップ/ 第70回 データサイエンスセミナー
開催日時:2019年11月15日16:10-17:40
開催場所:220室(データサイエンス棟2階)
講演者:櫻井 芳雄 氏 (同志社大学脳科学研究科・元京都大学文学研究科)
題 目:心を知るために神経細胞の活動を記録する-文魂理才の脳研究
概要:
文系とは「人間の心と営み」を対象とする学問かもしれない。文学は心を描写し、美学は感動を論じ、社会学はマクロな社会行動を調べ、歴史学はそれを時間軸に沿って解説する。私も人間の心と営みに魅かれた文系人間であり、まず文学に多大な興味を持ち、大学では心理学へ進んだ。そして心とは何かという問題意識をサイエンスの手法で解明したいと思うようになり、脳の研究を選んだわけであるが、これを和魂洋才をもじって「文魂理才」と呼んでいる(文献1)。これが文理融合の実践と言えるかどうか、はなはだ心もとない限りであるが、もし実践可能な文理融合があるとすれば、この文魂理才しかないような気もしている。今回は、これまで行ってきた脳の研究、特に行動する動物から神経細胞(ニューロン)の活動を記録した実験について紹介し(たとえば文献2~4など)、さらに、文理融合とは何か、それは可能なのか、もし可能ならどのように実践すればよいのかなどについて、主に文学部で脳の実験研究を続けてきた体験から感じたことも踏まえ考えてみたい。