イベント
《2023年12月11日》第139回 データサイエンスセミナー(講演者:佐藤俊哉先生 題目:因果の荒波のなかで)
開催日時:12月11日(月) 16:30 ~ 60分
開催場所:講堂多目的ルームI および Web併用(※対象は特に限定しない)
講演者:佐藤俊哉先生(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療統計学 京都大学臨床統計家育成コース)
題目:因果の荒波のなかで
概要:
統計的因果推論は1980年代から急速な発展がありました。古くはNeyman, Fisherのランダム化モデルにまでさかのぼりますが、反事実モデルまたは潜在結果変数モデルとして観察研究に拡張され、因果推論に必要な、しかし隠されていた仮定が反事実モデルにより明らかにされています。
反事実モデルを用いることにより、理論疫学の中心的課題であり、観察研究では必ず考慮が必要な交絡の定義、交絡要因の必要条件、ランダム化が果たす役割などが明らかになりました。また現在では1983年にRosenbaum and Rubinにより提案された傾向スコアの利用が爆発的に増加していますが、そのほとんどが傾向スコアマッチングを用いた研究であり、その後に提案された構造平均モデル、周辺構造モデルなどの利用はそれほど進んでいません。
このセミナーでは、交絡の定義から回帰モデルにもとづく標準化、周辺構造モデル(逆確率重みづけ)、二重ロバスト推定量までの因果推論の流れを概観します。
お問い合わせは以下のアドレスにメールでご連絡ください。
dser-center@biwako.shiga-u.ac.jp