コンクリート打音検査モデルに関する研究報告と意見交換会を開催(連携企業・佐藤工業株式会社)
2024年11月25日(月)、滋賀大学と連携協定を結ぶ佐藤工業株式会社(本社東京)が来訪され、共同研究の成果報告と意見交換会を開催しました。
今年度は、本学データサイエンス学部・市川ゼミの西澤克哉さん(データサイエンス学部4年生)が、「コンクリート打音検査モデルにおけるGrad-CAMを用いた判別根拠の可視化」と題して発表されました。本研究は、佐藤工業(株)のコンクリート打音検査データを使用して、教師なし学習による打音検査の異常検知の精度を向上させる研究となります。通常の教師なし学習のモデリングを使用すると、コンクリートの瑕疵部分の径が小さくや深さが浅いという特定のケースにおいて検知精度が高くないという問題がありました。精度の向上のカギとなったのは、Grad-Camという深層学習の技術を用いて、異常判別の手掛かりが周波数-時間空間のどこにあるかを明らかにしたことです。分析の結果わかったことは、瑕疵の特定のケースにおいては、打鍵後に表れる「響き」に相当する縞々状のスペクトルが手掛かりとなっているということでした。この手掛かりの表現能力を高めるために高い周波数解像度の特徴量を導入したところ、他のケースの精度を犠牲にすることなく、問題となっていたケースの精度の改善を達成することができました。
佐藤工業(株)の稲田常務、早川技術センター長、京免ICT推進部長、そして、卒業生の花房さん(大学院1期生)と縄田さん(学部4期生)からの活発な質疑とその応答による有意義な意見交換会となりました。
その後、佐藤工業よりチューリップの球根の提供を受け、彦根キャンパスで鉢植えをしました。富山を発祥とする佐藤工業は、CSRの一環として、富山県の名産チューリップの球根による町のにぎわい創出事業に取り組んでおられ、本学への提供は5年目となります。4月に色とりどりの大きな花を咲かせ、新入生を迎えてくれるよう、和やかな雰囲気で作業が行われました。