《2024年9月19日》第174回 データサイエンスセミナー(講演者:大森 崇 先生 題目:「統計教育のバックヤード」)
日時:2024年9月19日(木) 10:00 ~ 90分
場所:校舎棟2F第8講義室 および Web併用(※ 対象は特に限定しない)
講演者:大森 崇 先生(京都大学大学院医学研究科 臨床統計学講座)
題目: 統計教育のバックヤード
概要:
教育は「流水に文字を書くようなもの」だと言われるほど困難な活動であるにもかかわらず、学術研究および教育の最高機関である大学に所属する教員が、教育に関する特別なトレーニングを受けることは極めて少ない。演者は複数の大学、大学院で専任・非常勤の立場として多くの統計学関連の講義や演習を担当しながら教育経験を積んできた。提供してきた授業の内容は、自らが受けた教育、実務の経験に依存しているところが大きい。本セミナーでは、演者の統計学教育の経験を通して、現在教室の内外で授業に対して強く意識している点を論じるとともに、実際の授業の活動を報告する。
第1部では、教室に立つ教員として、提供する教育について意識すべきではないかと考えている点を掲げ、同じように統計学の教育を行うもしくは将来教育を担う教員との議論の基としたい。演者が考える点は以下の3点である。
(1)教員は場を活かした教育を考えるべきではないか?
(2)教員は科学の実践のための統計学の教育を行うべきではないか?
(3)教員は知識ばかりを授けるのではなく、知恵や受講者自らが行う表現の大切さを伝えるべきではないか?
第2部では、現在発表者が行っている統計学の教育の2つの実例を、授業を準備した際に意識していたいことを提示しながら紹介する。1つ目は複数の学部学生が受講者となる初年度の座学の授業、2つ目は必ずしも統計学を専門としない社会人を含む医学系専攻の大学院における演習である。
演者は現在でも葛藤の中で統計教育の試行錯誤を続けている。上記の報告を通して、大学で教育に携わる教員とともに明日の教育活動を考える時間としたい。
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dser-center@biwako.shiga-u.ac.jp