総務省統計研究研修所と共催「令和6年度教育関係者向けセミナー」を開講
2024年8月7日、「令和6年度教育関係者向けセミナー」を総務省統計研究研修所との共催で開講しました。
本セミナーは、高校や教育委員会などの教育関係者を対象に、2017年から毎年夏に開講しており、今回はオンラインで、全国の高校教員を中心に約20名が参加されました。
データサイエンスに関するリテラシーの向上や、データサイエンスを用いた授業デザインをテーマに講義や演習により、統計指導のスキルを磨いてもらうことを目的に行っているものです。
セミナーは、データサイエンス学部長 市川教授の挨拶に始まり、午前の部はデータサイエンス学部の奥村准教授が登壇しました。演題を「データサイエンスの現状とその基礎」とした講義では、リテラシー+(プラス)の認定を受けた「滋賀大学数理・データサイエンス・AI教育プログラム」(参考:https://www.shiga-u.ac.jp/6348/)や、昨今注目されているChatGPTなどの最近のトピックスを交えつつ、「データサイエンスとは、統計学と情報学をもとにデータを活用して価値創造を図る領域である。」という定義や、データサイエンスの発展について、ビジネスへの活用や、エビデンス重視の動向、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)等の観点から分かりやすく紹介しながら、データサイエンスを担える人材育成の必要性について説明がありました。また、データ分析の仕組みや基礎的な分析手法について、実演を交えながら解説されました。
午後の部は、愛知教育大学の青山和裕准教授より、「高校生向けの統計指導のポイント」と題して、社会構造と教育・人材育成システムの関連性を示しながら、統計教育について子どもたちに教えるべき事項の説明がありました。また、社会に必要とされる能力の移り変わりにも触れ、身近な問題に関心を持って問題を認識し、解決しようとする意識を習慣づけることの重要性が示されました。
後半パートでは、参加者グループに分かれ、統計教育を行う上での課題の共有や意見交換が行われました。このグループワークを踏まえた情報共有や質疑応答において、一般の高校で統計教育を実施するにあたって、学習指導要領の枠組みの中のカリキュラムにおいてどのように統計に興味を持ってもらえる授業が実施できるか、文系学生へのアプローチの仕方、統計教育に係る探求学習と数学・情報の授業の中での役割分担等について、活発な意見交換が行われました。