お知らせ
第8回 データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター・経済経営研究所ジョイントセミナー開催報告
5月30日(木)、京都大学大学院経済学研究科の依田 高典教授をお招きして、第8回データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター・経済経営研究所ジョイントセミナーを開催いたしました。題目は「データサイエンスの経済学」で、データサイエンス学部および経済学部の教員・学生が参加し、対面とオンラインを合わせて50名を超える参加者が受講しました。
本セミナーでは、特定の個人やグループが受ける介入(治療や政策)の効果を推定するための計量経済学的手法について紹介がありました。この手法を用いることで、異なる個人やグループに対する政策効果を詳しく分析し、社会全体の福利を最大化するための政策を考えることができます。
具体的な研究例として、横浜市で行われた電力料金のダイナミックプライシングに関するフィールド実験が紹介されました。この実験では、電力消費に対してリベートを割り当てられる、または選択できるという条件が節電行動にどのように影響するかを実証しました。この事例を通して、政策決定者がエビデンスに基づいて最適な介入を行うための実験方法について解説されました。後半には学生や教員を交えた活発な意見交換が行われました。
今回のセミナーを通じて、行動経済学がフィールド実験、因果推論、機械学習と融合し、新しい実証経済学へと進化していることが伝えられました。